アムステルダム所見

季節は初冬、日本よりひと月早い感、曇天、ひくく空を覆う雲から時折、垂れるように細かい雨粒。

人通りの多さ、トラムのせわしなさも、気忙しくはないのは、たとえば家々の古さ、有機的な感じ、ヨーロピアンなデコレーション、水路、黄色く紅葉した街路樹、などのせいか。

外食は簡素、マクドナルドあるいはサンドイッチ、ホットドッグ、フレンチポテトをよくみるが、パンはおいしい。食べ方が。チーズがうまい、ハムも塩辛いがそこそこ、ワインの文化か。他、ベーグルにエスプレッソはなかなか。スープもそこそこ。トラムで南に下ると、各国レストランあり。

気質を述べると、難しい。見た目の人種はさまざま。

郊外では、小さな家に家具調度の整った、垣根のひくい、というかない家。カーテンもしないから、外から一目瞭然なのが、新鮮。

土地は平ら、牧畜おおし。山がない。水路が巡るがその水位の高いこと。

ゴッホというのは、見て楽しい。たとえば色彩の用い方、影に青を見つけたり、といったこと。と、筆遣い、ぺたぺたと、あるいはべた、べた、といった感じが。自画像にみる眼差し、おれはこうあるという主張より、おまえは誰だ、という視線。ともあれ、こうして美術館が成り立つというのは、たとえば魂のキャパシティのなせる業なのか。

フェルメールはやはりその光な印象。その届き方、減衰の仕方、照らし方といったもの、現実というよりある種のファンタジーか。

レンブラントは、なんだろう、その力点のバランスのよさ、といったところか。あまり分らない。

研究者について、概括するなら、生活することと研究することの近さ、のようなこと。果たして、企業との近さといった点で、実践的に近いのだろうが。テクニックに偏らない感じと、そのアウトプットがどこか素朴な感じが、いい。

TNOについて、郊外の森の中といったロケーション。組織としては大きく、そのうちQuality of Lifeの、とくに食品の担当がTNO Nutrition and Food Science。スペシャリストの集団であり、かつ学際的。研究の内容的に、それほど進んでいるという感はない。が今後よく進んでいくのだろう。

WUについて。やはり郊外も郊外。街の中にビルディングが点在している様子。Prof. Voragenは、物腰やわらかく、落ち着いた感じの人。研究テーマを俯瞰的に把握されている様子。

ATOについて。Dr. Zondervan、食品企業の直面している問題点とそれへの対応などの整理が明解。

ハイデルベルグ所見

山がある。川がある。して、広い。古城など点々と。食堂車の料理が、ぞんざいでない味。素晴らしい。

国境を越えるというのは、初体験ながら、どうという国境はなく、陸続きに、言葉のみドイツ語へ。

メカニカルな点において律儀なカンジ。番号をふるとか。

ケルンの大聖堂、ハイデルベルグ城など、外観のいささか威圧的な、優美というのでなく荘厳な様子。

午後6時の鐘が印象的。城下のあちこち、5箇所以上の教会から交互に同時に、音色、音程、硬さの異なる鐘の音が山間に響く響く。またその長いこと、15分ほど続く。この時間が今にあること、つまり、現在であること、というのが、不思議。懐古的にではなく、必要な機能としてこうしたオーケストレーションが毎日にある、というのが、私の現在に抱くイメージを柔らかくする感じ。

ドイツ料理は、ザウアークラウトとアイスバイン。マスタードがよく合う。とても。ビールに合う、とゆうのは、どうも私には無理。

街のメインストリートの賑やかで、でも人の暮らす場所なカンジが矛盾しないのがいい。

つまり・・・新しさというのが、無機的な利便を合理的にかなえる存在ではなくて、もっと有機的な利便にも応じる、可能性があるんだ、ということを知れたのが大きな収穫か。

人の外見は、若者に短髪が多い、女性も。また太った人が多い。アムステルダムよりも人種は均質か。

気候は、やはり雨がち。

ミュンヘン所見

市庁舎の装飾にみるゴテゴテした感じ、雨に打たれ、黒ずんだ壁面を伴い、空を裂かんばかりにゴチッとそこにある感じが、なんとも存在感。

人は、人なつこいように思う。

天気は晴れ続き。風も穏やかに、ただオリンピックタワーに昇った時、その外にでたときは、すごく吹かれた。

街の、実に街らしく平野に散開している様子、歴史、とシャチホコばらず、物語のある街にみえる。

レジデンツ博物館にみる、豪華絢爛。ひとに豪華、瀟洒の印象を与える術を尽くすと、こんな感じか。ただルールはさほど複雑でなく、素材でいうなら金、あるいはフラクタルな文様のもの。デザインについては、ライオン、しかめ面、唐草、楯、宗教的モチーフ、などの繰り返し。これを必要とした、というと妙だが、楽しみとした人々と、おそらくは黙々とこれら作品製作に年月を過ごした人々が、いたのだなぁ。

ソーセージは、ミュンヘナー・ヴォルヴルスト。茹でた白ウインナー。ザウアークラウトとマスタードで頂くわけだが、やわらかく、しかし適度に弾力のある様が、パキッブリブリッというソーセージ価値観を砕くなぁ。

地下鉄で、一日券を買えば、その都度に改札を意識する必要がまったくないのが快適。すごく公共なイメージ。

郊外はダッハウの強制収容所跡地。ドイツ国民の支持があって、というのも事実だろうし、今後二度と起こすまい、という気概もまた事実だろう。まずもって、そのような人々なら収容されるべき、という気分こそ現実的、という状況が私たちにはあり得る、ということを、しかしというかやはりというか、覚えておくべきだろう。

日本アニメ・マンガ、ってやはり人気っぽい、ほかの現地のものらしきを、そのような場所で見かけないくらいだ。

でもって、日本食も人気があるらしい。寿司やら緑茶やらみる。緑茶が傑作、甘くてレモンフレーバーつき。寿司の発音はズシ。また、シイタケ、オクラは日本語のまま。

ビールは、せいぜい400mlくらいだなぁ、飲めるのは。それ越えると、どうもグラグラする。

ミュンヘン大学Prof. Laska、ハキハキとマイオピニオンを繰り出せる辺り、魅力的。英語わかりやすく、かつ親日派。

イギリス所見

まず曇りばかり。曇っているのは当り前で、その上、雨が多いか、少ないかといった辺りが勝負所か。

しかしその、カントリーサイドの見事なこと。郊外がこうも美しく見れた風景なのは素晴らしい。まず穏やかな丘陵のつづくこと、生け垣がそれを大まかに広々と区画していること、羊や牛がのうのうと草をむしっているところ。

人について、実際きわめて優しい感じ。年輩の男性はおおむね、なにか頑固そうで、はたして口ぶりもぶっきらぼうな感があるが、つい、親切であろうとすることに成功も失敗も繰り返したすえの態度のように想像してしまう。なんともナチュラルに、こういう応答がきみにとって快だろうか?という気配りを感じる。

建物について、いやクッキーのようだ。その形状がまず、そうだし、その色合い、風合いもまたクッキーぽい。発散的でなく受容的なカンジ。

しかしなにより、その郊外である。Chipping Campdenは、Moreton-in-Marshからタクシーで20分という、実にローカルな場所にあるのだけれど、その街のなんともこじんまりと、しかしひと揃いの店が、クッキーの缶詰みたいに並んでいる。まあ、これは大事にしたくなるだろうな。このような郊外が、都会を離れれば確かにあるんだという現実を。

ご飯は、どうも、やはりいまいちというべきか。料理法ということにおいて、ヴァリエーションと工夫を探しがたいのは確かのよう。しかし紅茶の国といっても、街にコーヒーショップの多いこと。スタバ他、チェーン店らしきが5、6種類ほど。スタバ、カフェモカ、ホイップに香りがあってグッド。

オクスフォードで見かける東洋人の、なんとも独立した東洋人なカンジ。まずもって、東洋人である、というだけでかなりのアイデンティティになる、ということが、なにか日本では気にするようなことを全然気にしないでも済んでいるカンジ。あるいは、天下のオクスフォードの学生であるということの生む、自尊心が故か。

ハロウィンというと、気の利いた店では、カウンターに蜘蛛の巣がかかり、パンプキンの飾りがぶら下がり、店員は魔女っぽい格好。街には赤い角をつけて女の子らがぶらぶら歩く。

宿の古風なこと。床が傾いてたり、むき出しの梁に補強も所々。階段は狭く、しかし落ち着く雰囲気の宿である。街の郊外にあるのも、街になれるのには具合が良い。

CCFRAは、あんな郊外にありながら、その組織としての運営体制、完成度の高さが素晴らしい。またあそこに年間1万を超える訪問者がある、ということが非常な驚き。

Cardiff UniversityのTim Jacobは、実にサイエンスの面白さの理解者のカンジ。研究の水準でいってトップレヴェルというのではなさそうだが、面白がるという研究に置いて必須の能力において適格。

あと些末なことながら、着メロが他の国々よりも豊富。

アイルランド所見

気候は1日に全季節、といった様子。晴れるし、曇るし、雨も降る。

建物はまた英国とは違う感じ。青やら黄色やら赤やら、一件ごとに違う色だったり。都会だからということもあるかも、コークが。

人の様子もまたすこし違うかな。他人に無関心なカンジがやや。気付いたけど、つまり目が合わないね、すれ違うときなど。人種はより単一なカンジ。まあ話せば親身な風だし、笑顔も見せてくれるけど。ただ、どこか抵抗の歴史というのが、すごく、分る気もする。

言葉は英語。ゲール語というのは、古語のようなもので、字はアルファベットだけれど、発音もまったくことなり、話せる人は少数のよう。

食べものはイギリスとほぼ同じか。ただ、どんなメニューもアイリッシュ・何とかというのがあって。コーヒーだとブランデーいり。ビールはギネス、というのは商品名で、コークではマーフィー。黒ビールで苦味が強い。

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